救急医学2-8.呼吸困難

医学

「息が苦しい・・・」この主訴を聞いて,まず思い浮かべる臓器はどこですか?およそ8割の人が肺を思い浮かべるでしょう.次いで気管でしょうか.ですが呼吸器系を構成しているのは肺と気管だけではありません.解剖学から見ていきましょう.

まとめノート

解説

脳と心臓を忘れてはいけません.脳は常に司令塔ですから,ここがダウンしたら呼吸困難になります.そして心臓.心不全や心筋梗塞などでも呼吸困難は出現します.なので,「呼吸困難=肺」と思い込んでいると,足下を掬われます.気をつけましょう(かく言う私も心疾患を見落としたことがあります).
解剖学さえ乗り越えれば,あとは鑑別を挙げられますね.必要な検査を追加していきましょう.
ちなみにバイタルサインが重要だとは何度もこのブログでお話ししていますが,なかでも重要なのは呼吸数なのはご存じですか?呼吸数は代謝性アシドーシスを反映したりする有用な指標で,なおかつ内服薬でマスクされにくいんです.しかも呼吸が速いか遅いか簡便に分かります(患者さんの呼吸のまねをすれば呼吸が速いかどうか体感できますね).なので,呼吸数は重要な指標だと言うこと,裏切られにくい指標だと言うことを覚えておきましょう.


みるすきー

参考文献
「研修医のための内科診療ことはじめ 救急・病棟リファレンス」
「救急外来ただいま診断中!」

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