脳卒中,脳梗塞の診断には初療の過程でいくつか落とし穴が潜んでいます.
まず,意識障害+ショック患者をみたとき,脳梗塞と判断していませんか?脳梗塞のような神経症状を見たときに頭部CTを撮ろうしていませんか?
知っているようで知らないことが多いのが脳梗塞です.疫学から含めて,もう一度再確認しましょう.
まとめノート
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解説
まず押さえておきたいことは脳卒中単独でショックはあり得ません.ショックを見たら必ず他の疾患の検索もしましょう.私の体験談で恐縮ですが,あるレジデントの先生と当直しているときに,意識障害の患者が運ばれてきました.バイタルサインは血圧は120/80台で保たれており,上肢の脱力を認めていました.私とレジデントはすぐさま脳卒中を疑い,頭部CTを撮る準備を始めましたが,みるみるうちに血圧が下がり,循環が保てずショックに陥りました.それでもなお脳卒中の可能性を捨てきれない私たちでしたが,上級医がすぐさま微弱ではあるものの発熱に気づき,敗血症性ショックを鑑別の第一に挙げて治療をすぐさま開始し始めました.結果的に輸液と昇圧剤,抗菌薬でその患者さんは救命できました.その日から,意識障害を見たら頭部疾患を考える癖を改めようとレジデントの先生と誓いました.
基本的に意識障害の原則に則り,低血糖,低酸素,Vit.B1欠乏症を否定したら,すぐ鑑別診断に移りましょう.
脳卒中と判断したら,神経診察を行い病巣の特定を行います.左右差の有無は重要な所見なのでしっかり確認しましょう.ABCが安定していることが前提ですが,画像診断を行います.
脳卒中を疑ったら,必ず低血糖,大動脈解離,痙攣後を鑑別に挙げましょう.これらは似たような神経症状が出やすいです.遅きに失することのないよう,常に鑑別の上位に挙げておきましょう.
みるすきー
参考文献
「救急外来ただいま診断中!」