救急医学2-7.アナフィラキシーショック

医学

アナフィラキシーショックは国家試験でもお馴染みですね.でも初期対応で見抜きにくい症候も存在します.アドレナリンを打つタイミングは分かりますか?アドレナリンの投与方法を細かく答えられますか?少しでも不安がある人はしっかり勉強しましょう!

まとめノート

造影剤をよく使用する我が国ではアナフィラキシーショックは珍しいと思わないでください.特に,初期研修で放射線科を研修していると1例くらいは経験するかもしれません.
アナフィラキシーかも・・・と思って確認する症状は何でしょうか?皮膚症状?呼吸困難?それらももちろん出現する可能性があります.しかし,忘れてはいけないのが腹痛・腹部症状です.30%で確認されると言われています.一方で,皮膚症状は10%で陰性です.この数字は覚えておきましょう.
アドレナリンの投与タイミングは,Dr.林のABCDが一番参考になるでしょう.これら症状を認めたら直ちにアドレナリン(※成人では0.5mg製剤を使用するよう改訂されました)を投与します.注射器の安全キャップを外し,大腿部の前外側に先端を強く押しつけて薬液を注入します.筋注ですね.決して静注投与ではないので間違いないようにしてください!

基本的に,これで症状改善するはずです.しかし投与方法に誤りがある場合や効果がない場合は,まとめノートにも記載しているとおり,グルカゴン投与です.
アナフィラキシーショックの帰宅の判断には迷うでしょうが,基本は1泊入院して経過を見ます.二峰性反応を恐れてのことです.しっかり患者さんにこのことを説明して,帰宅させないようにしましょう.


みるすきー

参考文献
「救急外来ただいま診断中!」

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