救急医学2-9.COPD急性増悪

医学

COPDは呼吸器内科だけでなく,救急やICUでもよく見かけます.急性増悪するからですね.そのときの基本対応をしっかり学びましょう.

まとめノート

解説

そもそも論ですが,聴診器を当ててwheezeを聴いたら,COPD急性増悪,心不全,喘息発作を鑑別に挙げましょう.Case Studyの患者のように既往歴にCOPDがあっても,決めつけはいけません.必ず病歴,問診,身体所見,各種検査を行い,COPD急性増悪と判断しましょう.

COPDの病歴
・喫煙,高齢男性で,慢性的な咳嗽や呼吸困難を訴える症例ではCOPDが多い
(ジェネラリストのための内科リファレンスより)

COPDアプローチは国家試験でも問われる内容なので,是非押さえておきましょう.抗菌薬投与,ステロイド投与,SABAですね.酸素療法については集中治療の項目でお話ししますが,呼吸状態(ざっくりとした表現ですが)が良くない場合はNPPVや挿管もためらわずに行いましょう.
なお,急性増悪と考えても原因が分からず,PaCO2が低下しており,気管支拡張薬に反応しない場合は肺塞栓症も考慮しましょう.救急外来でCOPD急性増悪で入院となった患者の3.3%,重症で原因不明の急性増悪で入院となった患者の25%が肺塞栓症であったという報告もある(ジェネラリストのための内科リファレンスより).背景疾患に肺塞栓症もあり得るということは頭の片隅においておきましょう.

みるすきー

参考文献
「救急外来ただいま診断中!」
「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」

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