突然発症は怖い.ここまで勉強してきた方は大丈夫だと思います.さて,それ以外に危険な徴候はあるのでしょうか.頭痛で危険な頭痛の見抜き方を学んでいきましょう.
まとめノート
解説
突然発症はいいとして,それ以外の徴候を列挙しました.人生最悪の痛みや増悪する痛みは怖いですね.また,普段から頭痛のある慢性頭痛の患者さんが「いつもと違う痛み」と訴えている場合は怖いと心得ましょう.片頭痛でしょ・・・と侮っていると痛い目に遭います.
また意識障害の項目でも解説しましたが,血圧高値,瞳孔左右差ありは頭蓋内疾患を考える所見です.併せて確認しましょう.
さて,列挙した項目のうち一つでも満たす物があれば,バイタルサインが安定していることが前提ですが頭部CTを施行しましょう.
さて,鑑別の上位に挙げたいのはくも膜下出血ですね.くも膜下出血の場合,原則左右差のない意識障害ですし,錐体路症状はでませんでした.頭部CTではペンタゴンサインが典型的ですが,出血が重力に従い後頭部寄りに移動する場合があります.そうすると読影するのは至難です.見落としやすくなります(経験したことがありますが,典型例じゃないと本当に難しいです).また,貧血があると出血量が少なくなるのでCTでは現れにくくなります.また医療機器的な問題として,アーチファクトやCTスライスの関係で見落とすこともあります.CTが絶対ではないことも心得ましょう.
CT陰性なら腰椎穿刺,MRIまで行って良いでしょう.
怖い頭痛はくも膜下出血以外に細菌性髄膜炎がありますが,そちらは後日解説します.
みるすきー
参考文献
「救急外来ただいま診断中!」