下痢は院内発症と院外発症で分けて考えましょう.肺炎と同じような考え方です.
まとめノート
解説
病棟・・・と名前がついているので,まとめノートとは順番が違いますが,院内発症から見ていきましょうか.大体が抗菌薬とその他薬剤,経管栄養ですね.抗菌薬による下痢を見たらCD感染症を考えて,便培養を提出しましょう.Klebsiella oxytocaの場合は血便が出るので,便性状は確認しましょう.あとは経管栄養でしょうか.本当に経管栄養の下痢は多くて,患者さんが嫌がる原因の第1位と言っても良いのではないかと言うくらいです.高浸透圧の経管栄養剤を投与すると下痢になるのですが,最近だと,ラクフィアという乳酸菌や食物繊維などを配合した経管栄養剤も販売されていますし,またサンファイバーを付加するというやり方もあります.投与速度を遅めから始めるのも一つの手です.困ったら栄養士さんに聞いてみましょう.NSTに相談するのも手段ですね.
一方で,院外発症の下痢はどうでしょうか.ついウイルス性腸炎・・・と言ってしまいたいですが,ちょっと待った!症状の出現した順番をよく確認しましょう.ウイルス性腸炎ならば,「嘔気・嘔吐」から始まり,「腹痛・下痢」が後から来ます.この順番でなければ別の疾患を考えましょう.この辺の話は救急医学「腹痛」の項目でも解説しますので,よく覚えておいてください.
みるすきー
参考文献
「研修医のための内科診療ことはじめ 救急・病棟リファレンス」
「内科レジデントの鉄則」