ジェネラリストのための内科診断リファレンス

医学書レビュー

「抄読会で論文を手渡されたけど,基礎知識がないよ・・・」「レポート書いてこいと言われたけど,どうしよう・・・」そんなあなたの悩みを解決するのが今回紹介する本です.研修医は何かと臨床研修だけでなく,学会発表や抄読会などアカデミックなことも求められる機会が多いです.そのお供に是非とも持っておきたい本ですね.

概要

EBMが叫ばれて久しいですが,実際に意識して診療する機会は少ないと思います.そういうときに,突然論文を手渡されて,「来週までに読んできて.抄読会するから」とか言われるんですよね(遠い目).さて,実際に原著論文を読んで・・・としたいところですが,考察を考えたりするには事前知識がないと困ります.そういうときに参照したいのが「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」です.論文に基づいて執筆されており,感度・特異度の記載や疫学まで言及されており,非常に優秀な二次文献として扱えます.いわば辞書みたいな使い方ですね.これを著者一人で書き上げたとか・・・.恐ろしい人もいるんですね.

良い点

良い点は論文に基づいて記載されているため,信頼性が高い点です.もし内容に疑義があれば,原著論文に当たれるように記載箇所には引用論文も記載されているので,考察にはもってこいですね.また,ただの蘊蓄本うんちくぼんにとどまらず,実臨床でも役に立つよう症候や疾患に関する記載ももれなくされています.

悪い点

最終改訂が2014年という点でしょうか.最新の知識にUp Dateされていないので,Up To Dateなどには劣ります.また値段がやや高めな点ですね.内容からすれば,当然の値段と言えますが,辞書として数回使うだけなら買う必要があるかと言われると・・・.ただ手元に持っておけば,独り立ちしたときに安心できる本ではあります.

結論

推奨度は☆★★★★/星4つですね.EBMに強く,論文や抄読会に慣れていない研修医のうちは強い味方になります.しかし使い方は辞書的使い方になるので,絶対必要かと言われると絶対とは言いにくいです.図書館で借りて,内容を試し読みして購入を決めてもいいでしょう.


みるすきー

初期研修医の先生が最低限揃えておくべき本をこちらの記事でも紹介しています.是非参考にしてくださいね!

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