国家試験後の臨床〈レジデントが学ぶべき100のこと〉

医学書レビュー

すごい本が出ましたよ,これは・・・.医学書界隈のゲームチェンジャーになる存在だと確信しました.
今回は今年目玉の医学書の一つ,「国家試験後の臨床」についてレビューしていこうと思います.

概要

国家試験をめでたく合格し,臨床の現場に出てみたら知らない知識に圧倒された・・・.誰しも同様の経験はあると思います.私も「輸液の組成・・・?」「心電図の早い読み方?」「栄養って何さ?」と疑問だらけでした.

・・・今もそうやないかい!はい!すみません<(_ _)>

このギャップを埋めるべく,初期研修医の皆さんは本を買いあさり勉強するわけですが,今回そのギャップに着目した1冊が「国家試験後の臨床」です!
どのような本か,具体的に説明していきますよ.

良い点

まず,100項目というシンプルな章立てですね.一日1章ずつ読むもよし,ランダムに気になったところを読むもよし.医学書を読むときの計画が立てやすいです.

そして,なんといっても内容が素晴らしいです.輸液,心電図,栄養療法・・・etc.国家試験ではあまり深掘りされない内容がしっかり解説されています.今まで輸液なら「輸液の本(初学者向け)」→「輸液の本(応用)」みたいに,複数の分野の本を何冊か買わなきゃいけなかったのが,この本1冊で基本は成り立ってしまいます.コンパクトな説明ながら,初学者には必要十分な内容で臨床現場に出るには不足がないです.もし,物足りないな・・・と感じたら,その分野の応用本を買えばいい話です.今まで通りですね.

私が冒頭で「ゲームチェンジャーになる存在」と表現したのはこれが理由です.初学者向けの本を複数冊買う必要がなくなり,1冊で体系的に学べる本が「国家試験後の臨床」です!

また,病棟管理で難渋する内容(吃逆の止め方とか.意外に思うかもしれないですけど誤嚥性肺炎を起こすことがあるので)や書類仕事まで解説されており,痒いところに手の届く内容まで解説されています.
国家試験後,と言われると初期研修医向けと思われがちですが,わりかし後期研修まで使える内容だと思います.

改善点

知名度・・・でしょうか.私の周囲で買ったよ!という人が少なく,「内科レジデントの鉄則」や「救急外来ただいま診断中!」などの従来からある本が未だに根強い人気本のようです.

しかし!私は声を大にして言いたい!

この本は初期研修〜後期研修まで使えて,臨床の基礎を土台作る物だと!

今年から発売された本で,まだ知名度が低いのかもしれませんが(もしかして私の周囲だけ?),間違いなく良書です.著者の渡部晃平先生はTwitterもされており,有益な情報を発信されているので是非フォローしましょう!

結論

推奨度は★★★★★/星5ですね!いやぁ,今まで各分野の本が乱立しており,初学者向けから熟練者向けまでいろんな本がありましたが,初学者向けならこの本1冊持ってれば十分でしょう.これで医学書界隈の”応仁の乱”はめでたくお終い・・・になるのかな?笑

ともあれ,国家試験に合格したら,最初に手に取ってほしい本です.何を必要とし,何を学び,どう活かすか.そのエッセンスがこの1冊に詰まっています.


みるすきー

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