外傷外科学4-8.顔面外傷

医学

顔面外傷は焦る損傷と焦らない損傷があります.
今すぐ形成外科や整形外科にコンサルトしますか?どうしますか?
我々が救急外来で出来ることはなんでしょうか?まとめていきます.

まとめノート

解説

実は私は顔面外傷の患者さんを見たことがありません.ええ!じゃあCase Studyの患者は誰なの?
もしかしたらピンと来られた方はいらっしゃるかもしれません.プロボクサーの井上尚弥選手です.WBSS決勝戦での井上選手は相手選手の左フックをもらい,眼窩底骨折しました.そのときの話をCase Studyにしています.なので,完全に私が診たことがない患者さんですので半分フィクションだと思って読んでください笑.

それでは,具体的に顔面外傷をみていきましょう.まず,大量出血はヤバい.これは押さえておきましょう.直視下での確実な止血は困難です.気道確保の上,ガーゼパッキング,ベロックタンポンやTAE,結紮など,あらゆる手段を準備しておきましょう.そして,気道確保も重要です.こちらも外科的気道確保が出来る準備をしておきましょう.常に準備が8割です.
基本的には止血と気道確保が重要だと思いましょう.

その上で骨折を診ていきます.丹念に骨格をなぞって骨折部位がないか確認です.疼痛の有無や咬合に異変がないか確認していきます.骨折の画像診断はX線・・・と言いたいところですが,体位保持が困難なので,CTで行います.治療は眼窩底骨折は急を要します.すぐに専門科にコンサルトです.しかし,それ以外の損傷は軟部組織腫脹が邪魔なので,1〜2週間後に根本的治療が行われます.

眼外傷について詳しくみていきましょう.今後の社会復帰に重要な臓器です.先日,外傷学会での教育講演でも爆傷における眼外傷の話題が出ていました.もし良ければそちらの記事もご覧ください.

室内光で視力,瞳孔,眼球運動,視野を検査します.対座法で行いましょう.異常があればすぐに眼科コンサルトです.
受傷機転によって対応は異なりますが,化学損傷の場合は生理食塩水で洗浄でしたね(決して中和しようなどと思わないように!).開放性眼球損傷を認めた場合は,直ちに眼科的検査を中止し,患側保護です.ガーゼで直接圧迫しないように,紙コップなどで保護すると良いでしょう.異物があれば除去を,神経損傷は手術です.専門領域で救急的にやることは少ないですが,しっかりと初療のときの視力や視野など所見は取っておきましょう.


みるすきー

参考文献
「JATEC第6版」
「日本外傷学会 教育講演」

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