救急医学2-6.敗血症性ショック

医学

敗血症性ショックは救急外来でみるショックのうち頻度の多いショックです.対応できるようにしましょう.とにかく一刻を争うということを覚えておいてください.キーワードは「1Hour」です!

敗血症性ショックの早期認知のためには,qSOFA scoreを使いましょう.3項目のいずれかや,感染症を疑う徴候があり,バイタルサインが崩れているような状況ではScoringしましょう.2項目以上で陽性です.すぐさま治療の準備に取りかかりましょう.ノートには記載していませんが,人をたくさん呼びましょう.とにかく救急の現場では多くの人手が命を救うことを覚えておきましょう.
感染源のFOCUS検索は発熱の項目でも学びましたが,ここでもう一度おさらいです.赤字/青字の項目は特に注意しましょう.悪寒戦慄を認めるときは尿路感染症と胆道感染症を必ず鑑別に挙げてエコーを当てましょう.
最後に初療の手順ですが,これは1時間バンドルに則った記載です.ガイドライン改訂の度に時間が短縮していき,ついに1時間で全てをこなすように,と言う風になりました.ただ,1時間バンドルには死亡率改善に寄与するのか議論の余地があります(救急外来における敗血症1時間バンドル導入の影響と実現可能性(The feasibility and impact of implementing “Hour–1 bundle” sepsis treatment in the emergency room: a retrospective study):https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jja2.12486).
とにかく,早く抗菌薬投与,輸液療法,昇圧剤投与を行うことには変わりありません.研修医の間は,まずはショックの早期認知ができるようになること.これを目標に日々の診療に当たりましょう.

追記(補足)

敗血症性ショックにおいて,ステロイドの大量投与は無意味とされている.
一方で,少量投与されている症例を見る機会があるが,あれはショック離脱を早めるためである.28日死亡率の改善には寄与しない(ジェネラリストのための内科診断リファレンス,敗血症性ショックガイドラインより).


みるすきー

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