救急医学2-23.肝性脳症

医学

肝性脳症は難しいです.総合的に診断するものと思いましょう.間違っても血中アンモニア濃度で判断する疾患ではないでしょう.

まとめノート

解説

アンモニアは通常尿素回路で解毒されますが,肝機能異常がある患者では尿素回路による解毒が機能せず,ここに誘因が加わり肝性脳症を発症します.重要なのは,「誘因が加わり」というところです.肝機能異常があるから・・・,意識障害で高アンモニアだから・・・,で診断できないのです.誘因まで突き止めて肝性脳症です.なので,意識障害の解説でも「肝性脳症は除外診断」と解説しています.

また,肝性脳症とセットで覚えられる「羽ばたき振戦」は,肝性脳症に特異的な症状ではありません.代謝性脳症であれば何でも見られる症状です.意外とPitfallが多いのが肝性脳症なんです.
まとめノートには病態生理図を載せてきました.これをよく見て,誘因と治療をセットで引き出せるようにしておきましょう.


みるすきー

参考文献
「研修医のための内科診療ことはじめ 救急・病棟リファレンス」

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