救急医学2-24.胆道感染症

医学

どうも臨床像が一人歩きして,見落とされたり誤診されることの多い疾患のような気がします.
ここで改めて原則に立ち返りましょう.「解剖学と生理学は検査結果に反映される」ということを.何を当たり前のことを・・・と思った方は,しっかりまとめノートと解説を読み込んでほしいです.それではいきましょう!

まとめノート

解説

「右季肋部痛がキーワード!これで瞬殺!」と思った方は,ここから間違えています.まずは正中痛から始まります.内臓痛だからです.時として,右背部,右肩に関連痛を伴うことがあります.
そして,嘔気・嘔吐が始まります.これは感染症によるものではなく,疼痛に伴う嘔気・嘔吐です.
さて,炎症は壁側腹膜に到達します.ここで初めて体性痛として限局した痛み=右上腹部痛,右季肋部痛が出現します.炎症の波及の程度によって疼痛部位が変わっていくわけですね.これは虫垂炎と同様です.
このまま放っておくとどうなるでしょうか?穿孔し,膿瘍形成します.
ここまでが典型的な臨床像です.いきなり右季肋部痛から始まることはないわけです.

さて,もう一つ勘違いされがちなことについて見ていきましょう.それは「胆嚢炎では胆道系酵素は上昇しない」ということです.胆汁の流れが阻害されなければ胆道系酵素の上昇は認めません.何でもかんでも胆嚢・胆道疾患では胆道系酵素が上昇するわけではないことを覚えておきましょう.

検査は腹部エコーです.胆嚢壁の肥厚,胆嚢腫大,周囲の液体貯留,結石の存在(特にコレステロール結石)を確認しましょう.
もし腹部エコーで今ひとつはっきりしない場合は造影CTを施行します.

治療は外科的胆嚢摘出術+抗菌薬投与です.腸内細菌と嫌気性菌カバー目的にアンピシリン・スルバクタムないしはセフメタゾール(腹腔内嫌気性菌に有効でしたね)を使います.抗菌薬・・・自信がないよ,という方は,抗菌薬のまとめも作って解説しているので,そちらもご参照ください.


みるすきー

参考文献
「救急外来ただいま診断中!」
「ジェネラリストのための内科診断リファレンス」

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