意外と勘違いされがちですが,腹痛とアミラーゼ上昇で急性膵炎だと思ってしまう人もいるようです.定義から再確認していきましょう.
まとめノート
解説
急性膵炎の診断基準は,
①上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある
②血中または尿中に膵酵素の上昇がある
③超音波,CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常がある
です.
上記2項目以上を満たし,他の膵疾患,急性腹症を除外したものが急性膵炎です.かなり厳しい定義なんだな・・・ということを覚えておいてください.
原因と頻度,診断の手がかりを表にまとめました.胆石とアルコールが圧倒的に多いですね.いずれも超音波,造影CTで評価できるので診断がつきやすいでしょう.時折あるのがERCP後ですね.これは病歴聴取で分かるのでいいですが,消化器内科の領域に進みたい人はERCPと急性膵炎の関連性は頭に入れておく必要があるでしょう.
予後因子と重症度評価についてまとめました.さすがにこれは覚えきれないです・・・.なので参照できるようにメモ帳などに控えるなどしておきましょう.
治療は輸液,鎮痛,感染予防で抗菌薬投与,栄養管理(低脂肪,低残渣,少量から行いましょう!),腹部コンパートメント症候群のモニタリング(膀胱内圧でモニタリングします),蛋白分解酵素阻害薬です.
みるすきー
参考文献
「救急外来ただいま診断中!」