病棟内科学3-9.不眠

医学

不眠は入院患者の訴えで時折遭遇します.夜間の呼び出しで不眠時の対応を求められた・・・あるあるです.安易に投薬しておしまいにしようぜ,という気持ちは分かりますが,本当に処方薬が必要でしょうか?しっかり原因精査してから判断しましょう.

まとめノート

解説

入院による環境の変化で眠れなくなることはよくある話です(枕が変わるとなんとやら).不眠以外の主訴がないかちゃんと確認しましょう.ここで重要なことは,「不眠薬は患者の希望によってのみ処方される」ということです.眠れなくて死ぬ人はいません(極論ですけどね).安易な投薬による副作用を天秤にかけましょう.患者さんが眠れないと言っている.だけど,時間潰しは出来ていそう(スマホなど).患者さんは睡眠薬を希望していない場合は,そのままにしておいてOKです.一方で,処方希望があれば薬剤処方しましょう.一般的にはオレキシン受容体拮抗薬であるベルソムラやデエビゴ(2020年発売)が使われることが多いです.私の体感では,精神科の先生に不眠でコンサルトするとほぼデエビゴと回答をいただくことが多いですね.ベルソムラと比較して作用時間が長いので,腎機能障害がある患者では作用時間が長くなりやすいことは注意しましょう(病棟指示と頻用薬の使い方決定版より).基本は依存性と耐性形成が少ないオレキシン受容体拮抗薬から使うようにしましょう.


みるすきー

参考文献
「内科レジデントの鉄則」
「今日の治療薬」
「病棟指示と頻用薬の使い方決定版」

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