第1回ゆるっと鬱ラジオ〜記録〜

日々の記録

はじめの挨拶

今日は4月21日と言うことで,もう4月も第3週ですね.そろそろ新環境には慣れたでしょうか?
4月は人と環境が変わるので,人見知りには辛い季節ですが,そろそろ慣れてきたかな・・・でも違和感もまだあるかな・・・そんな頃合いだと思います.
今日はドロップアウトについてお話しします.

4人のドロップアウト

私の周りには私含めて4人ドロップアウトしています.
今日はそれぞれの事例を振り返って,どうしてドロップアウトしたのか見ていきましょう.(一部個人情報特定を避けるため,虚構を交えてお話しています)
まず一人目ですが,ちょうどこの時期ぐらいかな?5月のゴールデンウィーク明けに来なくなってしまった人のお話です.その人は4月はやる気があって頑張ります‼みたいな子だったんですけど,ゴールデンウィーク明けて1日来て,その後の土日を挟んでから急に来なくなってしまったんですね.それでどうしたんだろうと・・・.病気かな?とか思っていたら,医局長が来て「今日からその子は来ないから」と冷たく言い放ったんです.えぇー!って驚きでしたね.それで蓋を開けてみたら,恐ろしいことが起こってたんです.何かというと,引きが悪かったんですね.何がと言うと指導医の引きが悪かったんです.指導医は初めて研修医を受け持つという先生で,研修医の扱いを分かっていなかったんですね.それで普段なら研修医は病棟管理だけで良かったんですけど,その指導医は併診やコンサル,コロナ対応までやらせていて,普段以上の仕事を任せていたわけです.その子,夜の10時まで職場に残っていて,事情を知らない僕らは熱心だな,くらいにしか思っていなかったんですけど,実は恐ろしいことが起こっていたという.結局,長時間労働の果てに疲れて来れなくなってしまった子です.かわいそうですね.
それで二人目ですが,これは私の仲の良い友人の話で,大学の同期なんですけど,大学時代はタフなやつというか,運動部って訳ではないけど,精神的には強い方だったんです.ところが,気がついたらドロップアウトしていました.半年くらいかな?仕事して,気づいたらいなくなっていたという・・・.それで,彼が仕事を辞めたあと,会う機会がありまして,お互いに何で仕事を辞めたのか話したんですね.それで,詳細には話せないんですけど,彼のドロップアウトのきっかけは患者さんの急変だったそうです.それも避けられた急変だったらしくて,それを気に病んでしまったんですね.それでその患者さんがICUに入ったそうなんですが,ICUに入ると色々面倒なわけですよ.朝カンファレンスでなきゃだし,オーダーとか指示簿とかICUならではのシステムについて行かなきゃいけなくて.いきなり仕事の環境が変わってしまった.それに加えて,持ち患(受け持ち患者の略)が急増して,指導医と上手くコミュニケーションがとれなくなってしまった.これらのことが積み重なって,彼は心が折れてしまったんですね.ボディーブローのように不幸なことが積み重なって,辞めてしまった事例です.
3人目は,これは直接の知り合いではないんですけど,私の先輩で専攻医になってから辞めてしまった事例です.これも早かったな.たしかちょうどこの時期ぐらいに辞められた先輩なんですけど.風の噂で聞いた話によると,カンファレンスで詰められたそうで,「専攻医になってこんなことも知らんのか」と毎日罵倒されていたそうです.もうパワハラですね.それで病んでしまった.決してだめな先輩ではなかったんですけどね.優秀と前評判でしたから.もう純粋なパワハラで辞めてしまった.そんな事例です.
4人目は,何を隠そう私です.私の場合は(2人目の)大学の同期と似たような感じで,些細な不幸が積み重なって辞めてしまったパターンなんですけど.私の病院はたすき掛けプログラムで,2年目どこの病院に行くか決める時期に病みました.私,当時付き合っていた彼女がいて,彼女は多摩の病院で,私は湘南の病院になってしまって.結婚を前提に付き合っていたので,同棲も視野に入れてましたから,どうやって通勤するんだと(笑).不動産屋を巡って探したんですけど,当然良い物件は見つからない.それで困ってしまった.他には,たすき先の病院を決めるシステムが,簡単に言うと成績順だったんですけど,私以外の同期は3位希望以内の病院に内定したのに,私だけ5位の病院だったんです.えぇ・・・自分は成績悪いの?他の同期と同じように仕事していたのに,なにかダメだったんかな・・・と.段々負の感情が湧き上がってきて,自責思考になってしまった.それに加えて,当時の指導医との相性が悪くて,悪いというかもうひどくて.「俺はお前にパワハラするぞ!」とか言う人で.え,ヤバくない?とか思っていたら,本当に罵声を浴びせられて.それで参ってしまいましたね.心が折れました.

どういう人がドロップアウトするか

ここまで事例を振り返ると,どういう人がドロップアウトするかというと,ストレス耐性が弱い人とかではないんですね.ストレス耐性って言葉は正しくなくて,正確にはストレスをしっかり発散できること,だと思うんです.いずれの人も,ため込みがちな人なんですよ.だから病んでしまった.あと真面目な人ですね.責任感が強い人とかもそうです.

ドロップアウト後の話

ここからはドロップアウトしたあとの話をします.私の場合,病院に行けなくなって,数日後に様子が変だと言うことで産業医に半強制的に連れて行かれました.たまたまその産業医の先生が精神科の先生で,そこで面談して鬱病だと.そこからクリニックを紹介されて,治療が始まりました.最初の休養期間は2ヶ月くらいで,私がドロップアウトしたのは1年目の1月だったんですけど,ちょうど年度の終わりまで休みましょうと,結構適当な感じで休養期間が決められました.その後,復職して2〜3ヶ月働いて,また体調悪くして・・・.それを繰り返して,昨年(2022年)の12月から休職して,今も療養中です.
それで,復職前にWAIS-Ⅳ知能検査というのを受けまして,どういう検査かというと,暗算したり,単語の意味を答えたり,パズルをしたりする検査で,そうすることで何が分かるかというと得手不得手が分かるんです.どういうことかというと,視覚・聴覚のインプット/アウトプットのどちらが得意か不得意かが分かる検査なんです.私の場合は聴覚のインプットが弱くて,視覚のインプットが強いんです.だから,手技とか説明して貰うときに,言葉で説明されるよりもやってみせられた方が,私の場合はいいわけなんです.たしかにこれまでを振り返ると,そういう経験があったなと思いました.なので,皆さんも機会があるときに,受けてみると良いですよ.

研修医は辛い

研修医は辛いですよ.2年間刑務所みたいなものですから.私から言えることは「元気なうちに休む!」ですね.これしか言うことはないです.もう少し大丈夫かな?は黄色信号.休みたいなと思ったら赤信号です.なので,元気なうちに休む.これを意識しましょう.
今日のラジオは以上です.ありがとうございました.
(お便りコーナー,まとめノートの解説は省略しました)

みるすきー

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