医学書の棚に行くとよく置いてある本,ありますよね.今回ご紹介するのもその一冊.内科管理は内科本で.じゃあ救急はなにで勉強すれば良いの?弊ブログのまとめノートで・・・じゃなくて,この本で勉強しましょう!
概要
著者の坂本壮先生は言わずと知れた有名な救急医の先生です.医学教育に熱心で,様々な本を執筆されています.その中でも,救急を学ぶ上でのバイブル本といえば,「救急外来ただいま診断中!」ではないでしょうか.救急外来でよく見る疾患,症候の考え方やピットフォールを学び,章末の最後に指導医と研修医の会話形式で症例を振り返るという形式を取っています.
良い点
大概の症候は収載されていますし,少しアドバンスな内容もありますが,知っておくと役に立つかなくらいのもので,全然歯が立たない医学書ではありません.むしろ救急ローテする前やローテ中に通読しておきたい本です.また,何よりこの本の素晴らしいところは,「典型例から外れた患者をどう拾い上げるか?」に着目して,集中して記載がある点です.例えば,失神から大動脈解離が疑えますか?失神患者の約10%が大動脈解離だと言われています.こういう風に知っておくことで,典型例でない患者でも救急外来で鑑別を挙げられるようになる本です.
悪い点
ありません!・・・強いて言うなら,項目立てが見にくい点でしょうか?私は,どの部分を読んでいるのか分からなくなるときがあったので,戻って読み直して・・・としていました.レイアウトの問題なので,中身は問題ない素晴らしい本です.
結論
推奨度は★★★★★/星5つです.レイアウトがあるので4.5くらいにしても良かったんですが,やはり非典型例を拾い上げるトレーニングが出来るのは救急では重要なので,そこを高く評価しました.出版社さん,見やすいレイアウトの改善をお願いします.救急苦手な人や不安な人が多いと思うので,その点ではこの本を常に携帯して勉強すれば乗り越えられるでしょう.頑張ってください.
みるすきー
初期研修医の先生が最低限揃えておくべき本をこちらの記事でも紹介しています.是非参考にしてくださいね!